08年2月の日記ログ


[1809]

湖涼 2008/2/1 (Fri.) 00:08:45
今日の晩御飯
・豆腐とわかめのお味噌汁
・ブロッコリーとちくわの炒めもの
・山菜御飯
・デザートはオレンジのようなもの


やはり、突き放した物の言い方は良くないなあと思いました。「自分が選んだ道だから、それをどうにかするのも自分」っていうのもよく分かるのですが、人は生き方を選べないような気がします。だから足りない部分を補い合うべく、それに値する人にならなければならないのだと思います。自業自得だと思われるのは徳が足りないんだよなあ、きっと。


[1810]

湖涼 2008/2/1 (Fri.) 23:41:56
今日の晩御飯
・肉じゃがのじゃがいもがさつまいもになってるやつ、肉さつ??茄子も入っていて美味しかった。
・大根とわかめのお味噌汁
・ごはん一杯
・デザートは父のかぼちゃプリンを強奪したものです。父が冷え性である事をいいことに、酷い娘だ。しかし私も冷え性なのだが

今日の一歌
・自転車の駆ける後輪虹が生え 疾く道かなた我は進まん

一句
・凍風やしたり顔する白小梅


[1811] 更新

湖涼 2008/2/2 (Sat.) 09:48:05
日記ログを追加しました。
人様のカキコ、メルフォの返信までがっつりログ→インしてますので、ああ、ここは・・・。と思われた方は修正削除いたしますので、お気兼ねなく申し出ください。


昨日の仕事はしんどかったです。
生理1日目って…。
有給使えば良かったと後悔。
S氏はしっかり午後からいなくなっていた。
あ の や ろ う 。
またコンパに…!(妄想)

寝込んでました
湖涼 2008/2/2 (Sat.) 19:23:13
 2日目と偏頭痛が重なって、ずっと寝てました。
 昨日の日記に、
凍風とありますが、「とうふう」と個人的に読んでいたのですけれども、どうも、
「いてかぜ」と読んだ方が宜しかろうと思いました。ネットで見てたら何となく。

 友人が、百人一首にはまっているとの情報を得ました。うっひゃっほう、ちょうど私もだと叫びたいです。それで、小倉百人一首、第一番の「秋の田の・・・」の天智天皇の歌から、解説&感想を書こうと思ったのですが、
 天智&天武&額田王の三角関係の方が気になって、しかもその歌がばっちり残ってるっていうのもアレ過ぎて鼻血ぶーです。
 天智はどろどろ過ぎよ。天武と額田王は割りと爽やかな感じがするのに…。
 自分の奥さんを鎌足にあげたりさ。「お古だけどいい女だぜ」みたいな。しかし奥さんの数は半端なく多い時代だから、そのまま捨てられた人も多いんだろうなあと思いつつ。身分がそこそこあって、運良く気に入られた女性は、「飽きたけど、このまま放置するのも惜しいなあ」ってな感じで、お気に入りの家臣にくれてやったのでしょうか。まあ、その女性が不比等を産んだっていうのも、ハッピーエンドだよ。日本史的にも。


湖涼 2008/2/2 (Sat.) 19:35:18
その女性、鏡っていうんですが、額田王によく似てたらしいです(あくまで伝説)。そんで額田の姉だとかいう説も。額田王と大海人(天武)が恋人同士だった頃、くやしくって、中大兄(天智)は手を出したのでしょうか。

鎌足→←鏡←天智→額田王→←天武

天智天皇、最強に孤独すぎる。
まんが日本の歴史で不覚にも萌えてしまった、幼い頃。病床の天智は、やつれた青い顔に白い鉢巻しめて、弟の大海人皇子を呼びました。
「私の息子を頼む・・・」
しかし大海人皇子はyesともnoとも言わず、剃髪。坊さんになって吉野の山にこもります。
そして天智天皇の死後、その息子と大海人皇子との間で後継者争い(壬申の乱)が起こってしまい・・・やはり次男は世渡り上手です。

公式の歌と恋の歌を比べてみる
湖涼 2008/2/2 (Sat.) 22:23:10
天智天皇の歌ページ
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tennji2.html

ざっくりと見たけれども、公の歌
「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」
(秋の田の刈穂を積んだ庵で番をしていると、その屋根の苫(とま)の目が粗いので、私の袖は夜露でぬれることだよ。)

いとやんごとなき身分なのに、農民の生活の辛苦を詠うとは、してやったりですな。くそまじめって言うか。

かと思えば、遊び心満載の歌も。
『香具山は 畝傍(うねび)を愛(を)しと 耳成(みみなし)と 相争ひき 神代より かくなるらし 古(いにし)へも しかなれこそ うつせみも 褄(つま)を争ふらしき』
【通釈】香具山の神様は、畝傍山の神様を愛しいと思って、耳成山の神様と争った。神代からこんなふうに恋の争いがあったらしい。神様の昔もそうであったからこそ、現代も、人は結婚相手をめぐって争うものらしい。

女の前では超デレ 鏡に送った歌
「妹があたり継ぎても見むに大和なる大島の嶺に家居(を)らましを」
【通釈】おまえの家のあるあたりを、いつもいつも眺められるのになあ。大和の大島の嶺に、俺も家があったらなあ。

近江の采女に送った歌
「梓弓ひき野のつづら末つひに我が思ふ人にことのしげけむ」
【通釈】引野に生える蔓草は繁茂して伸びてゆくが、そんなようにあの人に寄せる私の想いもどんどん増さっていって、最後には他人に知られてしまい、うるさい噂が立ってしまうだろう。

仕事はまじめで、女の前では弱みを見せる。
この使い分けったらないよ。さすが長兄
 しかし次男といえば、公式の歌でもまじめと言うよりか、壮大とか雄大さを優先してますね。女に対する歌は、やはり額田に凄いデレてます。(しかし宴会の席でつくった戯れ歌らしいので、そこを考慮しなければなりません)

公?の歌
「み吉野の 耳我(みみが)の嶺に 時なくぞ 雪は降りける 間(ま)無くぞ 雨は降りける その雪の 時なきがごと その雨の 間なきがごと 隈(くま)もおちず 思ひつつぞ来(こ)し その山道を」
・・・何回『ぞ』をつければ気が済むのでしょうか。一見壮大に見えるけど、おちゃめ??対句がちょっとうざい(そこが可愛いのかもしれない)
【通釈】吉野の耳我の嶺に、絶え間もなく雪は降っていた。休む間もなく雨は降っていた。その雪が絶え間もないように、その雨が休む間もないように、曲がり角ごとに物思いをしながら来たのだ、その山道を。
・・・歌がうまいと到底思えない…。
ずっとずーーーっと悩んで山道を歩いて来たんだよ。変に技巧を凝らしてなくて、率直と言えば率直なのかもしれない。

遊び心満載の歌
「淑(よ)き人の良しとよく見て好(よ)しと言ひし吉野よく見よ良き人よく見」
【通釈】昔の立派な人が、素晴らしい所だとよく見て、喜ばしいと言った、この吉野をよく見よ。今の善良な人であるお前たちも、この聖地をよくよく見よ。
・・・何回「よく」を言えば気が済むのでしょうか。あてつけですか、やんごとなき身分の自分が自ら雪深い辺鄙な吉野に来た、と言いたい訳ですか。…遊び心の歌とはいえ(そんな事は誰も言っていない)ちょっとうざいな・・・

極めつけはこれ
 天皇、藤原夫人に賜ふ御歌一首
「我が里に大雪降れり大原の古りにし里に降らまくは後」
【通釈】我が里に大雪が降り積もっている。お前の住む大原の古ぼけた里に降るのは、ずっと後のことだろうよ。
・・・古ぼけたって…!!
大海人さんは、宴会で酔ったときに作った歌の方が良く出来てますし、そっちの方が有名ですね。

「紫のにほへる妹(いも)を憎くあらば人妻ゆゑに我(あれ)恋ひめやも」
【通釈】紫草のように美しさをふりまく妹よ、あなたが憎いわけなどあろうか。憎かったならば、人妻と知りながら、これほど恋い焦がれたりするものか。
・・・しかしこれ、戯れ歌とはいえ、この歌を楽しめたのは、当事者たるお三方のみで、周りの人は一瞬、シーンってなったんじゃないかしら。ぜったいなったに違いない。

天武天皇の歌ページはこちら
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tennmu2.html

[1812] 額田と鏡
[作者検索]
湖涼 2008/2/2 (Sat.) 23:24:12
額田は何か男勝りって感じ?
男からからかわれたり、おちょくられたりしても、しなっとしたり、じめっとした歌を作りませんね。(本人の性格はどうか知りませんが>歌と本人の性格は不一致する事が多い)
鏡は女臭い歌が多いですが…。
素直って言うか可愛げがありますね。
二人がコンパに行ったら絶対鏡の方がモテるよ。額田は毛色が違うって言うか、そんじょそこらの男じゃ相手にならんからね。歌がどへたな武人タイプ(大海人)の方が、
「この人ったら馬鹿ねー。でも私の話もよく聞いてくれるし楽しいわ」
って感じ(妄想)。天智は歌もそれなりに詠うし、もしかして水面の如く静かなピリピリした夫婦だったかもしれない。
「歌が上手いって聞いたけど・・・」
他人のものだった時の方が、輝いて見えました。
そんな時代もありました。

ちょっと面白いのはこれね。
天智の恋歌
「妹が家も継ぎて見ましを大和なる大島の嶺に家もあらましを」
【通釈】おまえの家のあるあたりを、いつもいつも眺められるのになあ。大和の大島の嶺に、俺も家があったらなあ。
・・・これに対する鏡の歌
「秋山の樹(こ)の下隠(がく)り行く水の我こそまさめ思ほすよりは」
【通釈】秋の山の、木々の下をひそかに流れてゆく川の水のように、おもてには表さなくとも、お逢いしたいという思いは私の方がまさるでしょう。殿下が思っておられるよりは。
・・・ドキドキするくらいねちこい!
いい勝負です。

そんでもって、額田王の代表歌があるんですが、
これね
「君待つと我(あ)が恋ひ居れば我(わ)が宿の簾(すだれ)動かし秋の風吹く」
【通釈】あの方が早くおいでにならないかと、恋しくお待ちしていると、我が家の簾がそよそよと動き――あの方かと思ったけれど、お姿はなく、秋風が吹くばかり。
・・・これ、亡くなった天智をしのんで作った歌らしいんですが、どうしてそんな事が分かるんでしょうか。天武かもしれないじゃん。
しかし天武は太陽属性だから、秋っぽくないな…。やっぱり秋(飽き)は天智属性。
 話は反れましたが、この歌の次に、鏡の歌があるんです。それも、額田の歌を揶揄するような。

「風をだに恋ふるは羨(とも)し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ」
【通釈】訪れたのが風にすぎなかったとしても、恋しがる相手がいるのは羨ましい。風だけでも、来ないかと待つ相手がいるなら、何を歎くことがありましょう。
・・・これは、そもそも額田の歌に対する歌ではなくって、万葉集を編集した人の遊び心?で並べて置くことになった歌らしいのですが、上手くコントラストになってます。しかし陰気な姉だなあ。

[返信]
額田と鏡
湖涼 2008/2/2 (Sat.) 23:29:37
額田王の歌ページ
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/nukata.html
鏡の歌ページ
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/kagami.html

今日の晩御飯
・くしくも餃子。国産です
・菜の花のおひたし。胡麻の香りが程よく
・巻き寿司。海苔が二重になってました。具沢山で美味でした
・デザートは苺。相変わらずルビーのよう

今日の一歌
・稚児の手をあやすが如く苺持つ へた取る流水落ちて行きけり


[1813]
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湖涼 2008/2/3 (Sun.) 01:47:55
自らの不幸を撒き餌にして生きる女は必ず存在する。

その言葉を胸に刻んで、彼は彼女のいる天幕へと足を運んだが、いざという時がくると、自分のやろうとしていることが、他人のそれと何ら変わりが無いことに気づいた。嗜虐心をあおるような女である。男は征服欲を否定できない。
(何だ、つまらん)
彼は早々に腰元の剣を投げた。地に座った女はぴくりとも肩を動かさない。手近にあった酒をあおった。微動だにしない女を眺めながら、ほどよく酔いが回り始める。
「お前は石像か」
気がつけば彼は、小柄な彼女の足元に這い寄って、赤らめた顔で女の顔を間近に覗いていた。ぎぬりと大きな鳶色の瞳が彼の姿を射抜く。
「酌くらいしろ」
汲み取る椀が無いので、それは無理な要求だった。彼は彼女の手に酒瓶を持たせたが、女はそのまま動かなくなった。
「返事をしろ」
苛立ちを隠せずに、男は立ち上がってものを言った。鳶色の瞳が、今度は上へ向けられる。
(この女を組み伏したら、一体どんな声を出すのだろう)
そう思うなり、手が伸びた。今度ばかりは石像でいられまいと思って。その時、彼の頭の中で「弱虫!」という声が閃いた。この声は、いつの、誰のものであったか、彼は思い出すのも苦々しいものだった。
 死の床にあった友を、最後まで見舞うことを拒んだ彼は、赤子を抱いた友の妻に、そう言われたのだった。喪も明けないくらいの、死後間もない頃だ。
 男は何故、戦争をするのか。「弱虫だ」と、そう言われない為にするのだと思えてならない。しかし結局は、そうである事を証明せざるを得ないのだ。己の弱さを露呈させないために、強弁な態度を貫かねばならない。弱みとの対面から逃げる、その行為そのものが何よりの証であるにも関わらず。回避する可能性を生む理性をかなぐり捨てて、思うが侭に生きる。今の状況と、似ていなくも無い。人は誰しも陶酔する精神に勝てないのだから。
 女の肩に触れた途端、小さな唸り声と共に、女の身体が横へと弾けた。重々しい剣の鞘を、細身の腕で辛うじて抜く。鋼の切っ先が、震えながら、彼の顔の高さまで持ち上げられると、彼はくの字に折られた女の腰に、未だかつて感じたことの無い高揚感を得た。下衆な奴だと自ら思いつつも、これが己の本性かと思えば気が楽になる。何よりも酒の力が彼の背を後押ししてくれていた。
「俺を刺しに来ても構いはしないが、次の瞬間お前は犯されてるぞ」
何故、こんな言葉を言ってしまったのか、彼は自分でも分からなかった。相手は聡い女であることを失念してしまったのか、それとも、情というものにほだされてみたくなったのか。
 あ、と男は声を上げた。女が剣を捨てて逃げたのである。
(馬鹿な奴!)
女もそうだが、自分も相当なものだ。運命から逃げられる術も無いが、この所、右往左往している皆が面白く思えてならない。右を選んでも左を選んでも、所詮は同じ場所にたどり着くのだが、景色は一体どれほど違うのだろうと、そう思い描く。
 彼は天幕から顔を覗かせた。女が逃げたと一言だけ告げて、また中へと入っていった。少し酔いが醒めてしまったが、逃げた女の頭脳の確かさを手に取ったかのように思え、これでまた楽しみが一つ増えたと一人心地にそう呟いた。


[1814] いとわびし
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湖涼 2008/2/3 (Sun.) 11:00:16
「なに、見つからない?」
夜も明けた頃、部下の報告を聞いて目を覚ました彼は、いとも不機嫌そうな声を上げた。
「お前ら、何をぐずぐずと…」
後に続く言葉が見つからなかった。まだ酔いが醒めきっていないらしい。
「頭、随分ご機嫌なようで」
部下の一人がもみ手をしながらそう言った。彼はその言葉にようやく目が覚めたのか、それともそうする事で、目を覚まそうとしたのか、とっさにその部下の頭を殴りつけた。
「いてえ!」
「かしらと言うな、団長と呼べ」
賊上がりの部下の一人は、まだ癖が抜けきれないらしかった。すんませんと、頭をさすりながら数歩下がる。すると、入れ替わるように歯の抜けた男が一歩前へ進み出る。
「団長さん、夜に逃げた女を捜すのは無理ですよ」
「松明は?」
「焚きましたがね、何しろ小柄な女ですから、獣に混じれてようよう見つけられません」
「言い訳をするな」
「隊長さん」
「団長だと言うに」
「あんたはいいご身分だ。女を逃がして酔いつぶれても、四方八方手を尽くす部下がいる」
そこで漸く彼は、はっきりと目を覚ました。十人ほどの部下と副官が、芝の葉やら小枝を身体中に散らして立ち尽くしている。
「ああ、ああ。すまん、俺が悪かった」
片手で顔を覆いながら――それは頭が痛かっただけの事だったが、反省の念がこもった様なしぐさに見えた。部下たちは、急にしおらしくなった団長に毒気を抜かれたのか、唖然としている。副官だけは冷ややかな瞳でその様子を見守っていた。
「ま、まあ、まあまあ、そんなに後悔なさらずとも、女なんてえもんは、腹を空かしゃあすぐ出てきますよ。素面で抱けねえ気持ちも分かんもんでもねえ」
「お前と一緒にするな!」
急に顔を上げた彼は、一投、拳をまた別の部下の頭に振りかぶった。げっと、蛙をつぶしたような声が上がる。
「たまたま、そこに酒があっただけだ」
誰かが気を利かしたのかもしれない。しかし、自分はいつから酔わなければ女を抱くことが出来なくなったのか、彼は急に不安になってきた。
「女どもを呼べ」
その言葉に、皆が一瞬、水を打ったように静まり返った。誰もが己の耳を疑っている。ややもして、副官は自分の隣に立っていた部下の一人を、肘で軽く小突いた。お前が口火を切れと言わんばかりに。
「・・・エレーヌですかい?ここへ?」
「いや、お前が伝令しろ。『逃げた女を捕まえろ』と。それだけでいい」
彼がそう言うと、伝令係を命ぜられた男はひっと声を上げた。
「あいつはお前に八当たるほど頭の足りない女じゃない。つけは・・・いずれ」
俺に来るだろうと、口ごもりながら彼は瞬く間に仏頂面になった。
「エレーヌは、逃げた女の事は…」
「知らん」
その言葉に、一同は唾を飲み込んだ。団長と女給頭は懇意の仲である。自分の女に浮気をした、いや、手を出そうとした相手を探せとは、何とも酷な話ではないか。
「言ったろう、あいつはそんな玉じゃねえって。俺と違って公私の分別くらいついてる。よく出来た女だ。いや、出来すぎているといっていい。神は何故、あのような女に鉄の心と拳を授けたのか」
最後は独り言のようになって、彼ははたと気がついた。パンと手を打って解散だと声高に告げる。
「捜索にあたった者は、次の夜警の番から外れろ」
付け加えてそう言うと、男たちはぞろぞろと足早に散っていった。
「頭、ご愁傷さまで」
はじめに頭を殴られた部下が、もうその痛みを忘れてしまったのか、そんな言葉を言い残して去って行った。彼は、今度ばかりは相手を殴ろうともしなかった。諸刃の剣を出してしまったと、己の身を案じるので精一杯だったからだ。
 しかし、逃げた女を説得して連れて帰れるのは、やはり同性しか出来ないように思われて、彼はこれで良かったのだと、無理矢理自分を納得させた。ああ、運命の行く先を俯瞰し笑っていた、ついぞあの頃が懐かしい。
「右も左も同じだなんてなあ、えらい違うじゃねえか。あいつに殴られるのと殴られないとじゃ…」
 彼はため息をついて椅子に腰をかけた。仰ぎ見れば天幕の隙間からうっすらと朝日の残照が差し込んでくる。風は穏やかなのか、木々の揺れる音は僅かで、鳥たちの声の方が喧しいくらいだ。
「嵐の前の静けさ、か。俺も翼があればなあ…」
心地よい睡魔に襲われて、彼は間もなくやってくる会計士の声に目が覚めるまで、またひと時の眠りについたのだった。


[1815]
[作者検索]


湖涼 2008/2/3 (Sun.) 15:16:59

Re:☆
湖涼 2008/2/3 (Sun.) 23:17:59
今日は風邪気味だったので(たぶん)、一人でお留守番の日でした。皆は床屋のスプラッタ・ジョニーを見に行きました。面白かったらしいですよ、血まみれでR-15だったらしいですが。

今日の晩御飯
・肉じゃが
・ドライインスタント味噌汁に大根とわかめを足した汁
・ごはん二杯、しば漬け少々
久しぶりに自分でご飯を作りました!
作ったって言っても、肉じゃがだけですが…。
ご飯は無洗米なので、もはや料理の域を超えているような気がします。うう

[1816] これは・・・?
[作者検索]
湖涼 2008/2/4 (Mon.) 22:53:03
・眼球がじんわり熱くて痛くて涙が出る
・頭、足元がふらつく
・肩がこる、首もこる
・鼻水が・・・出る・・・・・・風邪だ!!

 去年の秋に引いたから、もう1年は引かないと思ってましたが、どっこい寄る年の波には勝てませぬ。おお…。
 人様の、不幸なブログを読んで「ああ、私って何て幸せなんだろう!」ってそう思ったりするのですが、何ですかね、この心の暗黒スパイラルは。ぬるい、当たり障りの無い日記より、どんな幸せな事を綴っている日記より、余程活用してますよ、重宝してますよ。私の怒りも誘発して爆発させてくれる、そんな日記に通う日々。淡々と仕事をしていると、やっぱり黒いはけ口が必要なのね…。そして思った事は、私はそのストレスや鬱憤、ルサンチマンとかいうやつで創作出来ない性質らしい。みんなそんなに単純じゃないと思うんですが、めぐりめぐってぽっと出るっていうか。そんな感じです。その割には、最近手に入れた道具を直ぐものつくりに応用したりして、中々、新しいおもちゃを手に入れた子供のような心を持っております。ああ、S氏がかすんでいく。
 相手の迷惑になるから、だなんて、そんなに好きでない証拠だな!人間として生まれたからには、ここぞという時に我を通さねば、心が死んでしまうよ。


・オレンジの光に包まれ一都ビル 刻と移ろう夕止まりたり

・名残惜し残照さえも雲の縁 夕離さぬは宵の手か

[返信]
今日の晩御飯
湖涼 2008/2/4 (Mon.) 23:37:01
・いわしの生姜煮
・かぼちゃのサラダ
・大根とわかめのお味噌汁
・白ご飯
・デザートは塩アイス


[1817] 会社休みました

[作者検索]
湖涼 2008/2/5 (Tue.) 19:03:34
あちこち痛い…。鼻水は何ともしがたし。
造顔マッサージでちょっと楽になったゾ!
食欲もあるし、歌を作る元気もある。

・白淡き薔薇の指持つエーオース 夜追いやりてぞ日追われしや


大学の寮にいた頃、ベッドにずっと貼り付けていた歌があった。
・魂よいづくへ行くや見のこししうら若き日の夢に別れて      前田夕暮

当時二十歳前後のはずなのに、どうしてこう渋いものばかり選択するのか…。
ちなみに、この歌の横に「いろはにほへと」の歌も貼ってあった。さらにその横には
「わてら陽気なかしまし娘〜♪」
というメモが貼ってあった。歌の続きがよく分からないまま。いや、まてよ、糸屋の三姉妹の歌だったかな

[返信]
これでした
湖涼 2008/2/5 (Tue.) 19:17:16
三条木屋町 糸屋の娘
姉は十八 妹は十五
諸国大名は 弓矢で殺す
糸屋の娘は 目で殺す

頼山陽が紹介した俗謡らしいのですが、
それだと、「京の五条の 糸屋の娘」
となってました。また娘の年はばらつきがあるみたいです。
 起承転結の例としてよく引き合いに出されるらしいのですが、はてさて。

あれれ
湖涼 2008/2/5 (Tue.) 21:41:29
ギリシャ神話って暁の女神はいるんだけど、夕べの女神はおらんのですね。
ちょっと不思議かも。
春・夏・冬っていう季節だから、そうなのかもしれない。秋がないんですよ、向こうは。(実際はあるんだろうけど、独立してないっぽい?)。運命の女神も、復讐の女神も、ゴルゴンも三姉妹の女神だものなあ。
 翻って日本は、額田王のひねくれ具合をそのまま地で行ってる感じです。春の喜びよりも、紅葉する秋の方が好き!だなんて
金持ちしか言えねえ。農民の秋は冬支度で忙しそうですね。収穫祭もありますし

今日の晩御飯
・レンコンと豚の野菜炒め
・大根とわかめとお豆腐のお味噌汁
・じゃこといくら
・白ご飯


[1818] 今日も会社を休みました
[作者検索]
湖涼 2008/2/6 (Wed.) 23:09:11
水っ鼻は随分マシになったのですが、
まだ体がふらふらして・・・
…休んだ理由が「体がふらふらして」ってヘタレ全開ですね。ああ
しかしまあ、仕事にならんと思って休んだ訳ですし、(大体ズル休みするなら連休直前にするよ!)明日に備えてばっちし寝ます。日中ガンガン寝たけど。


・風邪の床つきて思ほゆ人生の先見据えんは闇、霧の中


 ご飯を二杯食べてたら、最近お尻が大きくなったと母に言われました。えっへん
 今日の晩御飯
・白い魚のすり身の天ぷらに、そら豆が入ったもの
・しめじとわかめのお味噌汁
・さつまいものゴマ炒め
・白ご飯


[1819] 今日は仕事に行った
[作者検索]
湖涼 2008/2/7 (Thurs.) 21:59:36
・夕闇に立ち消えんとす家の角 これぞまさしく“たそかれ”時かな


今日の晩御飯
・焼きそば
・ほうれん草と豆腐のお味噌汁
・白ごはん
・昨日のさつまいもの残り

[返信]
Re:今日は仕事に行った
湖涼 2008/2/8 (Fri.) 00:07:44
一句作ろうと思ったけど、無理だった。
くやし〜!!


[1820] 帰りに
[作者検索]
湖涼 2008/2/8 (Fri.) 19:52:24
ミスド(のドーナツ)を買って帰ろうか、という話が妹との間に出たのですが、最近どうも美味しく感じれなくて…。駅の中にある、クッキー生地の乗ったシュークリームを押したのですが、母の体を考えて・・・
ござそうろう、になりました。
今川焼きっていうか、大判焼きっていうか。
あんこを小麦の生地で丸く包んだ、それです。
母の体のことを考えて・・・?
安くてびっくりでした。
高島屋にお店あるから、しかも会社の人が手土産によく買ってくるので、もっと高いかと思ったのですが、どっこい、
正月の出店で食べた今川焼きの半額の値段でした。あれは完全にぼったくりだったのか…。
小麦の高騰がひびいて・・・って絶対嘘だよ、足元見て便乗値上げだよ!おお…外に出るお店は「寒さ堪え賃」とか「ショバ代分」も水増してきっと売ってるんですね。ぱっと食べれるものだから、味はうるさく言えません…。甘すぎるなんてとても。(言ってるじゃん)。ござそうろうは、さっぱりした甘さって感じです。あくまで比較した場合ですが。高島屋やその他で見かけて、店員さんの接遇が良かったり、あなたの気分が良かった時は買ってみてください。安いし

高島屋の食料品コーナーをふらついただけで、試食品に2回もありつけました。松茸のつくだ煮とチョコレートです。うまし。あと、スターバックスのお兄さんが、チョコレートを店頭販売していた。ちょっと変わった、キャラメル系の濃いチョコを試食させてくれた。スタバの店員は、レベルが高いってホントだね。その辺のバイトと格が違うよ…。(凄い褒めよう)。


・枯れ刈田野うち出でたるカラスおり

・夕ぐれに空を仰げば海の色

・己が姓すげ変えん戯は乙女のみ知る楽しみぞあれ仮定法


短歌や句の面白さ難しさというのは、自分の発見したものや感動したものを、相手に伝え、且つ、それ以上のものを相手に想像させるという点だと思う。

[返信]
今日の晩御飯
湖涼 2008/2/8 (Fri.) 21:11:08
・ほうれん草とウィンナーの炒め物
・豆腐とほうれん草のお味噌汁
・白ご飯
・じゃこと海苔少々

沢山噛んで、ご飯を1杯に抑える計画を…!
私の体に2杯は耐えられない(たぶん)。
アトピーが…。


[1821] リンクが…!

[作者検索]
湖涼 2008/2/9 (Sat.) 10:18:39
消えている!(ドキドキ)
静かなる拒絶を、静かなる拒絶で返したよ。
何だろう、このトキメキは。
思考が一気に深まってしまった。
どぶん

 思考の早さと変わり身の早さに誰もついていけない、その流動的な存在に惹かれてしまったのですが、つまるところ、共感(シンパシー)です。私も自分のマイブームがころころ変わるので、中々そういう性質を解した上でサイトを見てくれる人って凄く少ないと思うんですよ。自分の根っこをどこまで知ってくれているのかなあと、ふとそう思う事もあります。
 一つのジャンルや作品で結ばれる絆っていうのが、むしろ普通で、複数になると、むしろ「パトロンですか、あなたは?」って言いたくなるんですが、(金銭的なものではなく、精神的な支えとして)、それをサイトの閲覧者全員に求めるのはちょっとどうかなと、今改めて気付かされました。
 絵も漫画も文字も全部やるなんて、贅沢の極みですな。まあぼちぼち行きます。塵も積もれば何とやらと申しましょう。
 92歳で短歌集本の賞を取ったおじいさんが新聞に載ってました。20前後で始めた短歌が、70年近くやっててなんと歌集が5冊。すすすすす少ない!いやしかし、70年÷5冊=14年につき1冊の割合。・・・やっぱり少ない!すごいマイ・ペースだ・・・。己の寿命を計算に入れたかのような活動の幅。いっそ羨ましいが、どこで生計を立てていたのか謎である。奥さんの収入だろうか。

 脱線しましたが、私は割りとねちこい性格なので、引き続きリンクを貼らせてもらおうかなあと思います。リンクの拒絶は出来ない暗黙のwebルール。訪問者も少ないので、害は無いと思います。
 会議室でお弁当食べてもいーじゃん!
って何のCMでしたっけ?ま、よござんす

[返信]
読売新聞の朝刊1面コラム「編集手帳」より
湖涼 2008/2/9 (Sat.) 13:28:01
上の記事を書いている人も、俳句や短歌が好きでね、時々載せてくれるのですが、2月8日(金)はこれでした。
・子を殴(う)ちしながき一瞬天の蝉    秋元不死男

広がりがあるなあ。(名前はどうかと思うが)。
句を読んだ人それぞれに違った情景が浮かびそうな一句です。
 この句の後に、力士暴行事件の話が来るわけですが。なんともはや

92歳で短歌本の賞をとった人の記事を発見しました。
・読売文学賞の人(5) 詩歌俳句賞「歌集『竹叢(たかむら)』」(岡部桂一郎全歌集収録) 岡部桂一郎さん 92
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20080208bk01.htm
いいなあと思ったのはこれ
・定型は人をきびしくするものか しばらく思う 甘えさすもの

・・・話はちょっと反れるんですが、
短歌を表記する際に、上の句と下の句の間に「スペース」入れる時があるじゃないですか。無いときもあるんですが、どっちがいいんだろう?上の首なんて、スペース二つもあるよ。

大阪は牡丹雪が降ってました。今は普通の雪ですが、まだ降ってます
湖涼 2008/2/9 (Sat.) 14:39:01
・中休み雪ごもりやと一部屋に家族皆してごろ寝するかな

・電線も堪らず雫落としけり雪積む道に並ぶ小穴は

・雪降る音道から聞こえしみちみちと


・昼過ぎて向かいのビルはみな白く 反射光さす北の窓辺に

・昼日うけ輝く白きビルの群 同夕ぐれは一斉に染む

・住む町も遠き山々も臨めるは オフィス八階われ他になし

・うす茜さす雲さらに夕闇の 青かかりたり紫煙の山ぎわ

・雪日に寒凍み入るや畳の間

・父親の足に柵(しがら)むショートヘア赤き上着の童女なるかな

・父と母毛布ひとつでうたた寝を 頭逆さに伏義女禍かと

・白妙の花嫁泣くや今日という幸と別れをおし抱きつつ


[1822] 女の足で行ける距離はたかが知れてる
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湖涼 2008/2/9 (Sat.) 11:16:23
女を捜す前に、女給頭エレーヌは、団長である彼に、直接でないにしろ“逃げた女”の名前を問うた。森に逃げたのなら、呼ぶのに女の名前が必要になるからである。会計士が、訪問者の顔を知るや慌てて言葉を継ぐ役を果たした。
「女の名は何かと問うておりますが」
言うか否か彼は迷った。女の存在は門外不出―少なくとも彼の中では―だったからだ。よって逃げた女の名も、口に出すのが惜しまれた。しかし落ち着きをなくした部下の表情を見ると、2、3秒も間が持たなかった。彼は眉をひそめ、苦々しげに女の名を明かした。たった一言「サマーラ」と。姓名は、彼も知らなかった。
 逃げた女サマーラは直ぐに見つかった。男はだらしがないと女給たちは笑う。
「女の足で行ける距離なんて、たかが知れているのに」
松明を持って、獣狩りの体で遠出した男たちは「夜じゃとても」と己の面目をつぶさぬようものを言った。
「女はいつだって楽なとこばかり取りやがる」
その言葉に女給頭エレーヌが振り向くと、慌てて粗野な兵士はそっぽを向いた。あの射抜くような真っ直ぐな目が怖かったからだ。エレーヌは顎をつんと突き出して、その場を去って行った。行く先は、団長の居座る天幕である。女が見つかったと報告する為だった。勿論、彼に対する用はそれだけではなかったが。
 実のところ、サマーラが直ぐさま見つかったのには訳がある。彼女は、自分の名を「呼び捨てで」呼ばれる事に不慣れだった為、まるで己の名と身を汚される様な心地がしたのだった。それに耐え切れなくなった彼女は、
「あんたの身をちゃんと守ってあげるから」
という呼び掛けの言葉も理解できずに、森の茂みから姿を現したのである。
 サマーラが見つかった時、女たちは喜びにわいた。まさかこんな早くとは、と誰もが思ったのだろう。スカートは小枝でやぶけるわ、髪は木の葉に絡まるわで、森へわけ入って数分も経たぬ間に、女給一同は逃げた女捜しに嫌気が差していた。「これで家に帰れる」と思ったのもつかの間、その喜びも長く持たなかった。逃げた女はどんなに慰めの言葉をかけようとも、全く落ち着きを取り戻さなかったのだ。おどおどとした瞳に青い顔、「あなた“サマーラ”よね」。誰かがそう、問いかけた。人気の無い森にいるのは逃げた彼女しかいない。今更のような愚問だったが、返事はなかった。

 「頭、エレーヌが話があると」
天幕の前でそんな声がした。団長の彼は、面倒くさそうに欠伸する。
「後にしろ」
「何故だと言ってます」
「昼飯時だ」
その時、天幕の入り口が開いた。ぶわりと土ぼこりと共に重い布地がゆれる。
「あたしも一緒に食べてもいいかしら?」
エレーヌは、やや面長な顔にそばかすを浮かべてた30前くらいの女だった。美人ではないが、利発そうな瞳と、筋の通った高い鼻を持っている。そのエレーヌと合い間見えた瞬間、どうしてかその時彼は、あの逃げた女より、この文盲の女給頭の方が余程聡明に思えた。
「なんでい」
「お昼なんて全然用意してないじゃない」
エレーヌは、彼の部屋に脇目も振らずそう言ったが、果たしてその通りだった。
「そうやっかむなよ」
フェガレスト!と女給頭エレーヌは啖呵を切る勢いで凄んだ。
「あの娘の事だけど、全然言葉が通じないの」
「だろうな」
「どういう事?」
「帝国領内でかっさらった女だからな、そりゃまあ」
そうだろう、と言う前に、エレーヌは彼の言葉を遮った。
「帝国領出身の娘はこっちだっているわ。その娘とも言葉が通じないんだけど?」
「筋金入りの箱入り娘ってこった。お前らとは住む世界が違うんだ。いとやんごとなきお姫さまなんだよ、奴さん。青い血が流れてると思った方が気が楽だぜ」
「お嬢さんって云うのは、見た目で何となく分かるわよ。悔しいくらい手が白くって綺麗だもの。でも、片言くらい分かってくれても良さそうなもんじゃない。遠い異国の人じゃあるまいし」
サマーラの瞳はとび色で、髪は栗毛色だった。容姿も小柄ながら、目立って自分たちと違うと思えるものは何一つないとエレーヌは言う。
「言葉が伝わらないからそう思うのかもしれないけど、あの怯えようは尋常じゃないわ。どこで拾ったの、あの娘」
エレーヌに追求されて、フェガレストは観念したように瞳を上へと向け、息を止めた。言うの面倒くせえなあ、とばかりにため息をつく。その様子を見たエレーヌは小鼻に皺を寄せたが、何も言わなかった。
「森がな、焼けたんだよ。お前も知ってるだろ。俺らに手を焼いた帝国の奴らがやけになって切り倒してやがる。そしたら、向こうに塔の頭…切っ先がちらっと見えたって訳だ。暇つぶしに入ったら、警備も手薄で、調子に乗って階段上ったら居たんだよ、てっぺんに。」
「塔の中にずっといたって事?でも、だからって言葉が通じないなんておかしいわよ。世話する人だってきっといたでしょうに」
エレーヌは、未知なる娘の素性を僅かながら知る事が出来て、幾ばくかの安堵を得つつあった。というのも、彼女は隊内にいる女全てを統括する立場にあったからである。それでも、謎めいた娘の存在に苛立ちを隠せない様だった。仕事柄、存在と扱いを掌握したい思いに駆られているだろう。
「そういや、ちと神殿くさかったかな。やたらお香の匂いがしたしよ。小っせえ頃から聖書だか古典神学の本ばかり読んでいたんじゃねえの?そしたら、使う言葉もおかしくなってくらあな」
「・・・言葉遣い汚いわね」
昔のあんたはもっと、と言いかけて、エレーヌは言葉をつぐんだ。話が長引くのはこちらとしても分が悪い。謎の娘は時が経てば理解もできようが、この男は10年近くも付き合いがある彼女にとって、未だに喰えない男のままである。小言を言われたフェガレストは、悪い悪いと言いながら、キキとかすかな笑い声を立てた。
「本人から事情が聞けないのは残念だけど」
「おう」
「あの娘が逃げたって事は、それ相当の事をあんたがしでかしたって事よね?」
「や、それはその」
一瞬及び腰になり、直ぐに否定しなかったのがまずかった。男はどんなに立場を悪くしても、そ知らぬ振りをして女に偽証を貫かねばならぬ時がある。その嘘そのものが男にとって唯一の「真実」であり、己の保身をかけた闘いの術となる。こうなるともう、酒の“さ”の字も出してはいけない。
「クラフに聞いたけど、あの子が逃げた時、あんたは随分ご機嫌だったって言うじゃない」
彼はあの野郎と、副官を心の内で罵った。深酒を快く思っていないのは分かるが、やり方と云うものがあるだろう。エレーヌに告げ口とは風上にも置けぬ奴である。
「あの歯抜けは、事が上手く運ぶようにいつも大げさにものを言うんだ」
「取り合えず、あの娘は私の保護下に置くから、金輪際、あんたには触れさせやしないわよ」
フェガレストはぎょっと目を剥く。これが彼の恐れていた事だった。恐れていた事、というよりも、彼の玩具を取り上げられたくない一心でひた隠していた事だった。しかしこれはどうあがいても異性には理解しきれない歪んだ趣向である。
「お前に隠していたのは悪かった」
「今更何よ」
「手に負えねえと思って、面倒くさくなっちまって」
「私の、手に?」
馬鹿にしてるの、とエレーヌは怒りの滲んだ目でフェガレストを見た。
「いくら女同士でも分かり合えねえって奴いるだろ」
「何であんたにそれが分かるの。まだ私とあの娘が出会う前にさ」
プライドを傷つけたくなかったからだろうかと、エレーヌはふとそんなことを考えたが、一蹴した。二人はそんな甘ったれた関係ではない。会話は私事よりも仕事の内容の方が多いくらいだ。
「分かっちまったもんは、どうしょうもねえだろうが」
エレーヌは、彼の言葉を聞かなかったことにした。男の言い訳ほど耳わずらわしいものはない。そう思い、足早に天幕を去ろうとする。その入り口の際で、フェガレストが一言訊いた。
「お前見たか、あいつの眼」
「見たけど」
エレーヌは振り返らずに答えた。
「あんなにどろっとした目、俺ァ見た事なかったね」
真暗な部屋に居て、明りはおろか出口さえ探そうともしない陰鬱な女だと。


[1823] お買い物
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湖涼 2008/2/10 (Sun.) 23:19:32
今日は、複合商業施設に行ってきました。とどのつまり、ジャスコと阪急が合体しているあそこです。カーディガン2枚とチョコをゲットしました。カーディガンについては、母が
「あんたはずっと同じものを使うから直ぐにボロになるんや。二枚買って上手いこと使いまわししい」
と、のたもうたのでそのお言葉に従いました。
 チョコについては、渡せるかどうか不明ですが取り合えずといった所です。ああ、
それにしても今日は、凄くサディスティックな気分でした。もうどうなってもいい。自暴自棄ではなく、向かうところ敵なしの気分でした。何故だろう。どうなっても構わない、どっちに転んでも痛くない、といった具合です。そもそも私の頭のおかしさ(気分の勾配の激しさ)を受け入れてくれるような心の器を持った人に出会えるのか、全く不明なので、こうなったら念仏を唱えるしか他に方法はありません。なーむ


・青白く夕空落ちゆ金の雲

・冬木立伸び行く枝も空つかみ

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昨日の晩御飯
湖涼 2008/2/11 (Mon.) 09:22:45
・じゃがいも炒めのチーズかけ
・豆腐とわかめのお味噌汁
・白ごはん
母の誕生日が近いという事で、晩御飯はわたくしめが作りました。わかめのある場所が分からずあちこち探し回ったよ…。


[1824] 歌壇・俳壇
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湖涼 2008/2/11 (Mon.) 10:05:52
読売新聞に、一週間に一度(たぶん)載っている投稿欄。普段読まないのですが、マイブームって怖いですね。数年ぶりに目を通しましたよ…。そしたら、何人か選者がいるのですが、どうも皆、「ここから先は私のテリトリーじゃない」ってな感じで、選ぶ首や句の傾向が決まりきってるんです。なんだかなー。「この首は俵万智さんが選びそうだから置いておこう」とかそんなやり取りがされてそう(妄想)。でもまあ、この世知辛い世の中、住み分けは大変重要な事項ですね!
 それで、ちょっと面白いなあと思った首や句をいくつかご紹介。

・うれしさの仔犬跳ねをり雪礫(つぶて)        兵庫県 Tさん

・あのあたりが生家と友は指をさすダムの湖面の青きひとところ       仙台市のKさん

・よべに見し卑しき夢を忘れむと霜の河原を遠くまでゆく        東京都のYさん


 俳句って、絵心に通じるものがいるんだなあと思いました。例えば、(例に取り上げて申し訳ないけれども)上の句の
「うれしさの仔犬跳ねをり雪礫(つぶて)」
上の句―中の句、は繋がってるけれども、下の句まで完全に繋がるものが来ると面白くないので、ちょっとイメージの離れた、それでいて完全に離れてない言葉を入れなきゃならない。上の一句は、最後の「雪礫」で、句そのものに広がりが出てきて、個人的にではありますが、雪の上で遊んでいた仔犬が、子供の手から飛んできた雪礫を噛もうとして、口の中で解けてなくなって「あれ?」っていう顔まで思い浮かべれるんですよ。(想像しすぎか…)。単に5・7・5の日本語を並べりゃそれで良い訳じゃなくて、季語も必要になるし、かつ気の利いた、ちょっとしたスパイスの一言も必要になる。一言で言うとずばりセンスです。句全体がスパイス(超センス)な句もありますが…。


・雪解けの風も冷たしバス小道

・久方に如月の青空得しと

・小夜ふけて凍てしオリオンほ照りけり


なんかね、「ずるいな」って思わされたらもう負けですよ。男も詩歌も!
・くれなゐの二尺のびたるばらの芽の針やはらかに春雨の降る

正岡子規はたらし決定です。
特に、春雨の降るっていう部分は、読んでいてあれって思う。はるさめのふる。のふるって何、なんなの。学校の授業では、「針やはらかに」っていう所が、“薔薇の芽”と“春雨”を隠喩してるんだよって教わった記憶があります。こんにゃろうだよね

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[1825] 命が溢れて足の踏み場も無い
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湖涼 2008/2/11 (Mon.) 10:59:40

今日は母の誕生日でした
湖涼 2008/2/11 (Mon.) 23:40:23
なのに晩御飯は彼女の自前です。鬼娘の再来
・沖はまちを揚げてあっさり煮たもの
・かぼちゃ煮
・白菜のスープ
・白ご飯
・デザートはフルーツてんこ盛りのケーキです。父よ…ホールケーキが良いと最後までねばってましたが、母は「昨日ケーキ(タルト)食べたから別にいらん」と言っておりました…。無理やり買っちまったよ


この三連休、好き勝手な事をさせてもらいましたが、何だか自分の本性というか心の居所が分からなくなって、ふらふら空中をさまよう感じでした。いつもより増して己の存在理由とか、私って何という答えが霧の中でした。でもまあ、それでも家がどっかりあるせいか、夕方、ホットカーペットのついた部屋で親子三人雑魚寝してたのですが、それで悩みがぶっとびました。もしかして、こうやってふらふら小さく悩んでいる間が、一番自分にとってニュートラルな状態なのかもしれないと思えて。悩み事少なき我が人生に幸あらんことを


[1826] 朝より夕方の方が寒かった
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湖涼 2008/2/12 (Tue.) 19:07:27
妹が風邪でダウン。
連休明けの朝から雨って・・・
テンションあがりますよね!(何故に)
バスの中の方がぬくいんですもの…。バスに乗るとお金持ちになった気分になります。

うーん、調子に乗ってチョコを買ってしまったけれども、改めて職場の空気の事を考えてみる、渡すのが難しいような…。二人っきりってないもんなあ。帰りに待ち伏せは怖すぎるしヨ。どうしようかな


・雨とぎれ鉛の雲も朗らかに街を包みし明雲となる

・窓曇り座わる心地は霧列車

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1827] 偏頭痛らしき
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湖涼 2008/2/13 (Wed.) 22:49:32
 胃がわなわなとなりまして、喉辺りからもう、そのわなわなが始まってるんですよ。気分が悪くなって、帰りに弟のチョコを買うはずが、妹にお任せしてしまいました。嗚呼
そんなに頭痛は酷くなかったのになあ。この症状は、大概偏頭痛か生理痛と一緒に来るのですが、今日もそうだったのかしら。うーむ
 あ、寝たらちょっと治りました。ギリギリ夕食も食べれましたし…。
 
 そういえば、今日は朝からテンションが高かったです。電車の中で一句思いついたので…。何度もつり革で体操選手ごっこをしたくなりました。両手で掴んでわっしょーい!みたいな。体を空中に持ち上げるあの技です。朝からこんな脳みそだから胃がおかしくなったんだな。自律神経を疑っちゃうよ…。


・白々と暮れ行く空よ冬の果て

・散りぬれば冬とも別れ姫椿


 姫椿っつーのは山茶花の別称です。かわいいっすね。冬茜という季語を使ってみたくてうずうずしているのですが、なんともはや
 今日の晩御飯
・天ぷらの揚げものと菜の花炒め
・えのきのお味噌汁
・白ご飯と納豆

 昨日の晩御飯
・茄子と豚としめじの炒め物
・大根とわかめのお味噌汁
・白ご飯
・干し大根と昆布が入った、お漬物のようなつくだ煮のようなよく分からないもの

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[1828] バレンタインデー
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湖涼 2008/2/14 (Thurs.) 19:33:20
今日はセント・ヴァレンティヌスが処刑された日ですね。269年って西ヨーロッパで中世が始まったくらいでしょうか?3世紀はロマンです、古代と中世がごっちゃになってそうですもの!

話をはぐらかせてしまいましたが、S氏にチョコを渡せました。ちょっとテンション低めでしたが…。ま、いっか
お昼休みの終わりごろにこっそりと渡したのですが、本を読むのに徹してくれたkさんに感謝したいです。


・ふたこぶのはざ間ゆかしき二上山(にじょうざん) 皇子の瞼に東風ぞ吹らむ

・白梅や地を舞う小雪に嫉妬せり


 図書館で、長谷川櫂の『四季のうた』第一集から第三集まで独占して取り寄せてしまいました。これから借りようとする人ごめんなさい。ネタ集めなんで、そう長くは借りるつもりはないんです。ええ、ほんと。
 今日の晩御飯
・シーチキンのクリームシチュー
・海藻とハムのサラダ
・白ご飯

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[1829] 妹と
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湖涼 2008/2/15 (Fri.) 21:48:41
短歌と俳句の本を合同で出さないか、という話が出ています。コラボレーションとなれるのか、謎ですが、取り合えず句や歌を見せ合って、これと云うものを決めて行きたいと思います。うーん大丈夫かなあ 緊張する…


・白梅や吹雪ける朝にかすみおり

・改装の板の愛しさ冬の夜

・金剛の青き中腹さすものは邪鬼の白指のごとPL塔


今日の晩御飯
・新むし(茶碗蒸しを砕いてだし汁を多めに加えたもの)
・糸こんにゃくと豚、青ねぎのしょう油炒め
・白ご飯
・デザートに赤林檎

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[1830] メモ
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湖涼 2008/2/16 (Sat.) 11:05:23
・鉛雲(なまりぐも)空覆いゆく冬の暮れ

・ちのみごもニヒルな笑い見せにけり面立ち飽きぬわが子ならなほ

・紅梅と白梅うす紅梅の庭 にぎわしき軒下春来よと

・噴水の音さむざむと木々を行く

・うす朝の日脚伸びけりおぼろ影

・里芋の香る土中の記憶かな


・キャベツと牛肉などの炒め物
・里芋のお味噌汁
・炊き込み(きのこ)ご飯

最近、どうも日記が長く書けない、スランプです。まあ、歌につめこんでいる分もありますが、あれとかこれとか書いたら絶対に面白いと思うものが書けないというのは、余程大事にしすぎているって事ですね。くわばら!
 明日はサイゼリヤでまた長話してきます。持ち込むネタは長谷川櫂の『四季のうた』を用意してます。というかまだ仕込み中で…。笑ってくれるのかしら。「あかあかやあかあかあかやあかや月   by明恵」とかさ…

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[1831] 出かける前に書き置き
[作者検索]
湖涼 2008/2/17 (Sun.) 10:41:47
第11回バレンタインどきどき、ワクワク川柳傑作選-1
http://www.info-ginza.com/mary/08kekka/1.html
第11回バレンタインどきどき、ワクワク川柳傑作選-2
http://www.info-ginza.com/mary/08kekka/2.html

サラリーマン川柳よりマイナーですが…。
お暇な方はおもろい句を探して見てください。
ちなみにわたくしはこちらの句が好きです。
・渡す人 彼から夫 今ワタシ     31歳女性

・来ぬチョコを 待つ身に2月の 雪が降る     58歳女性

・義理チョコに 狂喜乱舞の 父米寿     46歳主婦

・この年で まさかのチョコに 赤くなり     66歳男性

・大丈夫 家に着くまで バレンタイン     17歳男性

・妻子から 赴任地へチョコ 春近し     25歳女性

・夫より 息子に来たチョコ チェックする      42歳主婦

・妻作る チョコのイニシャル 俺じゃない      75歳男性

・薄くなる チョコに髪の毛 妻の愛     47歳女性

・チョコレート 夫の遺影に 彩(いろ)添える      78歳女性

おもしろいなあと思ったのは、やはりイニシャル俺じゃない、なんですが、もうひとつは、女性が、男性の立場に立って作った句が多かったという事です。ううむ 日本のバレンタインは、男性が待つ側なので、渡す側(女性)としては、待つ身を想像してしまうんでしょうね。大昔の男性歌人(柿本人麻呂など)は、逆に待つ女の身になって歌を作っておりますが…。「待つ」というのは、悲劇とロマンチズムが同居しておるのでしょうか。

・欲しい人からもらえずにチョコ一片

[返信]
サラリーマン川柳
湖涼 2008/2/17 (Sun.) 11:09:19
第一生命サラリーマン川柳2007 傑作選
http://event.dai-ichi-life.co.jp/senryu/2008_best100.html

ファンキーさんがどれも良かったと太鼓判を押してますよ。いや、一句目からしてやられました。100句あるんですが、どれもいい感じです。俳句の良いところって、誰もが主役になれる可能性を秘めているところですよね。プロじゃなくても一時の主役になれる。今で言うニコ動とかユーチューブの感覚で、昔の人は楽しんでいたんじゃないかしらと思うのです。

好きな句
・嫁さんよ 地球への優しさ 俺にくれ

・花粉症 ボクはハナカミ 王子です 


[1832] サイゼリヤで長話
[作者検索]
湖涼 2008/2/17 (Sun.) 21:35:25
・・・してきました。
禁煙席にいたのに、タバコ臭いのは何故。
そして、ピスタチオのジェラートが、“最高級のピスタチオ使用”と書かれてあるのに、何故、290円と表示されているのでしょうか。誰か教えてください。大人の方便ですよね…ほほ。

自分本位に生きれない友人とサイゼリヤで人生その他もろもろを話しました。生き方を変えるのは難しいです。でも、徐々に変えていかねばなりません。生きるためには。

・地の先へはるか伸びゆく高架道 上居座るは冬の大雲

・土香る里芋の夢ほのかあり

・旨さとは味のみで成るものでなし家帰らずは夕飯ゆえか

[返信]
今日の晩御飯
湖涼 2008/2/17 (Sun.) 21:40:41
・豚汁でなく、さば汁(味噌仕立て)でした。具沢山、えのき旨し
・コロッケ
・白ごはん2杯と納豆


[1833] 昨日は母が…
[作者検索]
湖涼 2008/2/19 (Tue.) 18:51:35
お遍路に…
しかも、三十三ヶ寺西国巡りの方です。
晩御飯の支度一つで、心が荒んでしまったワタシ。だめね
 自分の時間ってネットを触っているときか、それか俳句を考えている時くらいかもしれない。絵を描く時間がなくて色々もやもやしているのですが、俳句作りが唯一の心の救いです。創作の。不思議と電車に揺られているときに思いついたり、句が完成したりする事が多いです。あとは職場のトイレで整理&推敲。便器に座り指折り数え、お尻が冷たくなりました(おバカ!)。

・急行の窓白くなり冬時雨

・ふくらんで待つ蕾かな沈丁花

体言止めで終わる句が続くと、悲しくなりますね。こういうのは、本の編集しだいかと(おいおい)。

・敬遠の白球投げて涙する上原立てり瀬なき川面に

 上原が好き過ぎて、コケにされるともの凄く腹立たしいです。心が狭い!泣いたっていいじゃない、涙腺ゆるいだけだと思うんですが。
 ちょっと、新聞に句か歌を投稿してきます。。今度は行けるかしら

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[1834] 昨日から
[作者検索]
湖涼 2008/2/20 (Wed.) 18:59:33
風邪ひいてます・・・。
先週と違った風邪のようです。
会社を休むまでいきませんでしたが、突発的に襲ってくる咳がつらい。咳が止まない時はトイレに行って水を飲んで咳を沈めました。あーわき腹が痛む

・空を割る折々の枝冬木立

・明け方の日脚伸びけり影おぼろ

・紅梅や筆先散らす如くあり

某赤系の機関紙に、思わぬ良句を発見して興奮気味です。こういうのは、新聞に投稿してください!お願いしますよ・・・。妹に「この句いいよね」なんて見せに行ったら、
「すっきやなあ〜」
って言われちった。
これです
・日向ぼこしばらく死んでおりにけり      奈良のTさん作

・泥っ足袋ぬぎし足浮く柚子の風呂     群馬のKさん作

・うかうかと生きて来れたり初日の出     大阪のTさん作
            

 そういえば句集&歌集本のタイトルがまだ決まらない。どうしたもんか 
 ファンキーさんも昔はよく句をラジオに投稿していたみだいだけど、もう作ってないのかしら。猫が花を落として?どっか行くような句が頭にこびりついてます。

[返信]


[1835] 志は
[作者検索]
湖涼 2008/2/21 (Thurs.) 21:57:31
語るものではなく示すものだと思った、2月の夜(ちょっとポエミー)。
いや、長谷川櫂のサイトがね、ええ、ちょっと
武士道のような俳句のサイトでしたから、そう思ったわけです。師を選び間違ったら、一生を誤るとかさ(うろ覚え)。しかも、長谷川さんの句は肌が合わなかった。ものを紹介するのが上手な人は、作るのがどうもそうではないらしい。(偏見)。

・早春の天にじみけり青き朝

・冬茜雲段々状に染めゆきて

[返信]


[1836] まだ咳が引かない
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湖涼 2008/2/22 (Fri.) 19:24:25
ジェットコースターに乗る夢を見た。
妹曰く、
「それはストレスが溜まっている時に見る夢」
だと。
あの仕事の内容でストレスなんてありえない。
強いて言うなら、家に帰った後、自分の時間というものを余り持てないまま翌朝を迎えることくらいで、それくらいだったら、皆そうだろうと思う。ありきたりの悩みですいません。今週は「ファンシーダンス」を寝る前に読んで、乗り切りました。そろそろ仕事行きたくない病が発症する頃なんで、危ないです。
 それはそうと、夢の話に戻るのですが、私と同じジェットコースターに職場の上司(40歳男性)が乗っているのです。その人が執拗に私の好きの人の名を聞きたがり、私はついに根負けして言ってしまうという夢でした。ジェットコースターに乗っているという状況=当然大声、になってしまいますよね、とどのつまり絶叫です。「○○さんが好きですううううう!!!」ってどんだけ恥さらしなんでしょうか。最近そんなにトキめかないのに…(生理前だからだろうか)。私の夢というのは、どうもワンテンポずれて反映されるようです。という事は、バレンタインあたりのストレスなんだろうか。なーむー

・雲隠れ金剛山系なきがごと

・風通る指の寒さもゆるみけり

今日の大阪はすごく曇ってましたが、その分暖かな一日でした。今さっき洗濯物を干しにベランダへ出たのですが、嘘やんって言うくらい暖かでした。冬よさらば、と言いたいところですが、明日からまたぶり返すようです。冬のスポーツを満喫する人には朗報でしょうが。

[返信]


[1837] 部屋の模様替え
[作者検索]
湖涼 2008/2/23 (Sat.) 12:29:31
パソコンを、扉の正面にあった所から、学習机(小学校の入学時に買ってもらったもの)の上へと移動させました。一階の改装が終わって、ようやく漫画本や星新一などの文庫本も下に降ろせそうです。
 学習机って、ブラウン管状のPCを上に置くには、ちょっと手狭なんですよね…。父は早く液晶型のものを買えと言うんですが、そんなお金があったら、年金未納分を清算してますよ…。なもんで、PCをする時は、平たい引き出しを手前に引いて、その上にキーボードを置いてPCすることになりました(たぶん)。扉開けてすぐ(正面)のところに、机やらPCなど人が座るものが置いてあると、風水上悪いらしいです。まあよくよく考えると、扉を開け閉めするたびに風が通って気温が下がる場所ですから、そこへ座るのは体に良くないっていうのが分かります。風水も、科学的に解析すればいいのになあ。理にかなっている部分も多くあるような気がするのですが。


先日母が見た、イギリス映画はヘンリー8世の時代を描いたものでした。又聞きですが、ヘンリー8世は奥さんと離婚して新しい女の人と一緒になりたいが為に、ローマ・カトリックを抜け出し、英国教会を作って、離婚を認めない友人を刑死させたという…。恐ろしい話でした。興味を持って、wikiでヘンリー8世を調べたら、奥さんの名前がずらり。・・・侍女に手を出しすぎ!!!侍女萌えの王様・・・・。女癖の悪さで政治の混乱を招いたヘンリー8世。輝けるエリザベス1世時代の前座でした。(しかし私はスッラといい、前座が好きだな…)。

 ヘンリー8世と一番初めに結婚したのは由緒あるアラゴン王女でした、その間に生まれたのがメアリー1世なんですよね。彼女の生い立ちは読むだけで涙が出そうになります。6度目の妊娠でやっと生まれた子供だから、ヘンリーも猫かわいがりしてさ…。「女が王になってはならんという法律は無い」とか言って、メアリーを将来女王にすべく奔走。・・・とか思いきや、ヘンリーはメアリーの母の侍女に手を出して、22年目にして離婚。メアリーは王女の座から庶子へと失墜。エリザベスが生まれて、ヘンリーはメアリーに「この子に従え」と言いますが、
メアリー「私はこの子を妹して認めますが、女王としては認めません」(意訳)
・・・そりゃそうだろ!!!
メアリーが可哀想すぎる・・・。
政敵に拘束されそうになったけど、それを逆手にとって巻き返しの勢いを得て女王の座に君臨。ローマ・カトリックへの帰依。プロテスタントの粛清は300人にも上って、ブラッディー・メアリー(血まみれのメアリー)とあだ名される。自分の不安定な地位を固めようとして血走ってしまったんだろうなあ。エリザベスの母親もえげつなくってさ、元侍女の発想かしら、メアリーがエリザベス(妹)に従わない事に怒って、メアリーをエリザベスの侍女にさせようとしたらしいです。食うか食われるかの弱肉強食の王室。血走ってしまった精神状態もなんだか想像に難くないというか。エリザベスはメアリーの二の舞にならないよう、イギリス国教に戻した後も(結局戻すんかい)、中道政策を取って、他宗派を迫害しなかったそうです。この後は、スペインの無敵艦隊を破って、イギリス全盛期の幕開けですな。

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ヘンリー8世の結婚遍歴
湖涼 2008/2/23 (Sat.) 12:39:43
1.キャサリン・オブ・アラゴン(Catherine of Aragon, 1485年 - 1536年)
はじめアーサー皇太子妃。死別後、その弟ヘンリーと再婚。メアリ1世の母。結婚22年目に離婚。

2.アン・ブーリン(Anne Boleyn, 1507年? - 1536年)
エリザベス1世の母。キャサリン・オブ・アラゴンの侍女。結婚3年目にロンドン塔で刑死。

3.ジェーン・シーモア(Jane Seymour, 1509年? - 1537年)
エドワード6世の母。アン・ブーリンの侍女。結婚3年目に産褥死。

4.アン・オブ・クレーヴズ(Anne of Cleves, 1515年 - 1557年)
クレーフェ公ヨハン3世の娘。結婚後6ヶ月で離婚。
肖像画があまりにも美化されていたため、初対面時にヘンリーが激怒したというエピソードが残されている。

5.キャサリン・ハワード(Katherine Howard, 1521年? - 1542年)
アン・ブーリンの従妹。結婚1年半後に反逆罪で刑死。

6.キャサリン・パー(Catherine Parr, 1512年? - 1548年)
学識高く、メアリー、エドワード、エリザベスの教育係も務めた。結婚3年半目に王と死別。

侍女萌えの王様、ヘンリー8世のwikiはこちらです。上のデータがある場所ね
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC8%E4%B8%96_(%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%8E%8B)

しっかし、結婚22年目で離婚ってどんだけパワー有り余ってるんだろう。不妊時代も一緒に乗り越えたはずなのに…。でも、こういう王族って結婚しても「共に連れ添って云々」っていう感覚が無いのかもしれない。結局は長年連れ添っても政略結婚でしかなかったのかな、彼にとっては。それか飽きたからとか。男って年を取ってもずっと助平な人いるからね


[1838] 最近ファンシーダンスの影響で、語尾がカタカナっぽい
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湖涼 2008/2/23 (Sat.) 16:50:23
すっごいポジティブ思考になれるから、あの漫画は好きだな。別段明るい話題ばかりじゃないんだけども、生きる枷(かせ)つけたまま、好きなようにジャンプしてる主人公たちを見てるとね、何か元気もらえます。

それはそうと、最近の読売新聞の朝刊一面では「日本の知力」と題した特集が組まれているのですが、中々面白いです。昨日なんか、ムツゴロウ氏がインタビューに応じてたし。以前は「核の脅威」とかいう特集で、記者の妄想をフィクション小説に仕立てたけしからんブツが紙面を飾っておりましたが、今回の特集はまだ良い方です。
 生後6ヶ月くらいの赤ちゃんは、高いところに座らせても恐怖心が無いそうです。「怖がることが出来ない」。それで、大学の実験で、電動で動く椅子(レバーを引いて、赤ちゃんでも行きたいと思う方へ動くようになっているらしい)に乗せると、床が動いて見えて、それが赤ちゃんの脳を刺激し、その子は階段や段差のある場所を怖がるようになる、という。つまり、脳が必要に応じて能力を発達させるという訳ですね。赤ちゃんは自ら高い場所に行くことが殆ど無いため、高所を「怖がる」能力がない。けれども、電動椅子で「床が動く」事を体験すると、「階段や段差を恐れるようになる」。紙面の結論は、
「体を動かすと、脳が育つ」
です。

言いえて妙ですな。
確かにその通りなんだけど、言い方が、凄く、哲学くさくってね、私の心がずきゅんずきゅんとうずくんです。ずるいよナー
例えばこの言い回し。
「自分でコントロールできるようになった世界が、すなわち自分の世界になる」
もういっちょ
「体が無ければ世界も社会も認識できない。体を伴わない知性はない」

脳みそを優先しがちな私たちにとって、訓戒的なお言葉ですね。こうやってPCにじいいいいと座って向かい合ってても、知性は育まれないという事でしょうか。(知識は増えるけどね)。ネットで一番怖いのって、体を置き去りにして精神が暴走している現象ですよ。説得力の無い文章ってやっぱり、体験に基づいていないっていうか、身体性を置き去りにしてるような気がする。絵を描くっていうのも、本当は、右腕の動きが凄く必要なわけで、(消しゴムをかけたりとか)、そういうのが感じられないからCG画は苦手なのかも。最近はアナログに見せたCG画が多いような気もしますが。人をほっとさせる手口だよなあ。

話は元に戻りますが、「日本の知力」は一面以外にもインタビュー記事欄も別面でもうけてあります。ムツゴロウ氏は2面だったのに、今回は37面。何ですか、この扱いの差は。知名度に左右されすぎな読売新聞。そんな訳で、保育実践家の斉藤公子さんのお言葉
「子供は、大人が何かを教え込む存在ではない。体を使って遊ぶことで、初めて自分の意思が生まれる。自主性を尊重しなければ子供は開花しない。土台がない所に、何も積み上げることはできないのです。」

・・・何かを教え込む存在ではないっていう言い切りは、どうかなあなんて思ったりするのですが、(道徳心とか歴史とかどうなの?)、色々教える前に、土台を作れって事なんでしょうね。教えてもそれを吸収できない子供がいるんだと。体を動かしていないから、そうなるんだと。発達障害の子供に共通して多く見られるのは、動作のバランスの悪さ、らしい。具体的にどうバランスが悪いのか詳しく書いていないけれども、それが認知や言語の障害を引き起こしている、と。
 現代社会で、精神が病んでいる人が多いのは、世の中が便利になって、体を動かさなくても物が手に入るようになったから、その運動不足が祟っているのだろうか。

[返信]
ふと思ったこと
湖涼 2008/2/23 (Sat.) 17:18:49
生霊に取り殺されたり、それに苦しむ人っているじゃないですか(源氏の君とか)、それってね、やっぱり相手の魂が具現化したものじゃなくって、生霊を見た人の罪悪感から生まれた幻影だと思うんですよ。本人も知らない間に、(つまり無意識層で)良心がこっそりうずいていたのかもしれない、というオチ。
 死に目に会えなかった亡犬の夢を時折見ることがあります。見るだけならいいんですが、触れるくらいまで近寄ってくると、嬉しい反面、怖いですよ。はやく成仏せしや!今日なんか、S氏の「おい」っていう声で起きちゃった…!大恥。あれは“生霊”ですな…!!


[1839]
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湖涼 2008/2/23 (Sat.) 19:48:17

こんな所で何ですが
湖涼 2008/2/23 (Sat.) 22:16:32
かたほンヌさんへ
お誕生日おめでとうございます!
3日も遅れてすいません

角御前です。
あだ名は鬼女。
オリジでごめんなさい
(あやまってばっかだなあ)


[1840] 筆記バトン
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湖涼 2008/2/24 (Sun.) 18:06:41
ひゃっかさんから頂きました!
いつもありがとうございます。冷え性は、湯冷めする前に布団の中に入るのが吉ですよ。その所為でネット時間が減ってしまいましたが…。時折ひゃっかさんに手紙を送りたくなる衝動に襲われるのですが、もし届いたら苦笑いしてください…。きっと発情期の悩みが詰まってます…


筆記バトン
1.サイト名(日記名)2.HNorPN 3.ひとこと 4.落書き 5.回す人


今日は、休日らしい休日を送ることが出来ました。というのは、何と、ビックリマンオンリーイベントに行ってきたからです。お目当てはビックリマンではなく、さよきちゃんでした。ありがとう・・・するっと本を貰ってしまったけれども、当たり前のような顔をしてもらってしまったけれども、ごめんなさい、この恩は必ず…!・・・本当は本を買いたかったのですが、今までタダで頂いている(ひえー)以上、今更どうする事もできません。もし言えば、「出すったら」「いやいや遠慮しないで(水くさいわヨ!)」という高速道路の料金所で見られる主婦同士の会話がスパイラルするに違いないのです。(オンナノコって難儀ね)、
だから差し入れのお菓子を持って行きました。物々交換!!
ああ、それでも御座候(今川焼き)10個じゃ足りなかった・・・
本を読んだらめっさ面白くて、20個持っていけば良かったと後悔しました。切れ味するどいギャグに殺されそうになったよ…(弱音)。正直言うと、1回目読んだあと、2回目に家で読もうとする時に怖くて本を開けるのに手が震えました(すげえ)。これは嫉妬だ…。羨ましくってまぶいものを目の当たりにするのが怖かったんだ・・・。いや、元気はもちろんの事、もらったんですが、もらいすぎてはみ出してしまった感がいなめません。人間が出来ていない。精進しなければ…。

メモ
湖涼 2008/2/24 (Sun.) 19:54:17
・雪止みて雲隆々と山の上

・梅の庭母が少女を見送りぬ

・ひだまりの内にも雪は降りしきり どこ吹く寒風春思わする

・風薙(な)ぎて木々の隙間に出づる雲 わずかの枝葉に空かかりたる

Re:筆記バトン
ひゃっか 2008/2/25 (Mon.) 23:02:57
バトン回答ありがとうございます。よもや十二単の女性がでてくるとは思いませんでした。なんとみやびな…!!
発情期の手紙、まってます。年頃の女同士、本能むきだしのやりとりをしましょうよ!(真剣)

ありがとうございます(^^)
湖涼 2008/2/26 (Tue.) 22:06:50
そう言って頂けると嬉しいです。
どろどろの内容の手紙を送ってしまいそう!
筆箱の紐が緩みがちな週末にでもしたためようと思います。
和歌ブーム→平安人ブーム
きてます、きてます。


[1841] 今日は雨
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湖涼 2008/2/26 (Tue.) 22:11:11
今日の晩御飯(ネタが尽きたらこれだよ)
・味りん付けからすカレイ焼き(赤い)
・小松菜とあげさんの炊いたやつ
・お豆さん
・白ご飯2杯

お父さん、イビキかきすぎ!!!!


・空青く染めし日輪春を告げ

[返信]


[1842]
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湖涼 2008/2/27 (Wed.) 23:17:10
今日の晩御飯
・あさりのお味噌汁
・菜の花とソーセージの炒めもの
・白ご飯2杯
・韓国海苔


・啓蟄の前より出ずる枯れ蚊愛で

・雪雲かはて雨雲か駅前のぬれた道行く雲間さす暮れ

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[1843] 図書館にはべりをり
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湖涼 2008/2/29 (Fri.) 23:41:28
実は、
図書館で『四季のうた』(第1集〜第3集)を書き写しておりました。写経だよ・・・。

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メモ
湖涼 2008/3/1 (Sat.) 00:02:45
・地に入りつこもれ日深し冬の暮

・わらわらと来し笑ら笑ふ童行く


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