「ハウルの動く城」感想 |
キムタクの美声に1000円(※レディースデイ料金)払った…。 観終わった後、そんな気持ちでいっぱいになりました。十分すぎる程満喫。 ハウルの動く城の見所は 1、キムタクの美声 2、ハウルの家の汚さ、キモさ 3、荒地の魔女の痴呆っぷり(リアル) ・ ・ ・ 10、ストーリー たぶん梨子なら2位にカルシファー(火の悪魔)とハウルのホモっぷりを挙げるでしょうが、 1位は間違いなくコレです。映画そのものを超えた気がする。ハウルの萌え否、声。 元々、ハウルの動く城を観に行こうと言い出したのは相方で、 何でだよ、もう宮崎には騙されないぞ〜って机の端っこを手で押さえながらガタガタと耐えていたじゃない。 と理由を聞いたら、 「この前、CM見たら、 すごく綺麗なお兄さんが、腰布一枚で風呂を飛び出してワーワー泣き出すシーン があって、そのヘタレっぷりに興味をそそられた」 と言うではありませんか。 それで私も仕方なく、いや本当に仕方なく(強調)観に行ったんですけどね。 そのワンシーンは、想像を遥かに超える面白さでした。 キムタク美声+綺麗なお兄さん+人前であられもなく泣き出すヘタレ+半裸+半ケツ 何乗効果のモエですか?もう訳が分かりません。 ハウルが泣いてるのに、観客はハウルの半ケツにずっと笑ってんの。 もうぶっちゃけありえませんでした。宮崎映画の中では笑いが多いほうだったと思います。 中盤から後半は荒地の魔女の痴呆でかなり笑いました。 で、肝心のストーリーなんですが、 もうぶっちゃけ(二回目)戦争シーンは入れなくても良いと思いました。 いや、それだったらファンタジー軍艦大好きな宮崎監督大否定になるんですけどね。 ハウルの世界で起こる戦争を大々的に取り上げてしまったため、 物語の焦点がぼけてしまったと思います。 私はどっちかって言うと、時代背景くらいに止めて、ハウルの心の闇の一端を担うくらいにして欲しかったです。 まあ、確かに今イラクやらアルジャジーラ(…あれ違うな)やらアフガンやらブッシュやら物騒な世の中ですが。 それを映画に反映させるほど反戦色が強いものをファンタジーで描くのも無理がありますし。でも、宮崎さんもそれを 強調しようなんてさらさら思っちゃいないでしょうが(憶測)。ファンタジー軍艦が大好きなだけで。 ソフィーが空飛ぶ軍艦を見て 「敵なの?それとも味方?」 とハウルに聞いて 「どっちでも同じさ・・・・人殺しめ!」 ってハウルが言うシーンがあるんですけど、コレ 「戦争やる奴はみんな野蛮人」と他人事のように心のどっかで思っている非戦闘民族、日本人の気持ちを露骨に表しているような気がします。 話は戻して、内容に戦争を盛り込みすぎってところから。 じゃあ私は宮崎監督に何をもっと描き出して欲しかったのかというと、それはハウルの心の闇です。 それが彼の身にふりかかった呪いの原因にも繋がると思うし、それはカルシファーとハウルの謎の関係の説明にも連動するし、 またソフィーがどのように彼を救うのかを見てみたいところだったんです。 ハウルの心は虚飾にまみれています。 たぶん、ガラクタがくっついた汚い城もそうだし、宝石やおもちゃで埋められた彼の部屋も、彼の心を象徴していると思います。 風呂好きに見えたのは、呪いで醜い魔王になる事を怖れて、常に自分を美しく仕立てようという彼の悲しい見栄があったからです。 梨子が、汚い部屋に住んでるし、神経虚弱の引きこもり系だし、自分を着飾ろうとしているところが芸大生のようだって 言ったのは何となく分かるんですけど、何か、あの虚飾っぷりは常軌を逸しているような気がします。 魔法使いだからかもしれないですけど(汗)。 ハウルの師匠サリマン先生が 「彼は悪魔に魅入られて、恐ろしい魔法使いになってしまった」 と言うシーンもあったし、私はハウルには 恐ろしい物に魅入るというか、それにとりつかれるという心の闇が純真な心の一方であったと思うんです。 底なしの何かが。 その原点が彼の幼年時代にあるということで、 ハウルは幼い時、流れ星に乗ってやってきたカルシファーと出会い、それを飲み込んだ。 という回想シーンがあったんですが、 そこでいきなりアクマに魅入られるようになったんですか?? ここで原作の壁が? ちなみにハウルの幼年時代そっくりな少年を何人もはべらせていたサリマン先生は底なしだと思いました。 執着心が恐すぎる。 まあ、突っ込みが多いっていうのはそれだけ見ごたえがあったということです。 特にファンタジー大好きな人は(限定かよ)宮崎映画という事を忘れて観に行きましょう。 |
お終い。 |